山城屋生もと・時短料理に鍋
1114万/5340万世帯。20.8%。日本における共働きの世帯数が1114万世帯で、全体の20.8%を占めているという話。時短料理やらレトルトやら、時間がなくてもおいしくいただくための工夫があれこれキッチンに入り込んでいます。忙しいお母さんを助けることが目的。私の周りにもお母さんをやり、主婦もやり、仕事をしている立派な女性がたくさんいます。まさに敬服至極。
食材があれば、鍋料理って手早くできるんですよね。飽くまでも食材があればということになりますが、出汁を用意して、切って、並べて、入れて、ご飯だよ~と叫ぶまでに20分。それでも大変だということは承知していますが、栄養価も考えられて、片付けも比較的簡単で、家族の和もまとめやすい料理ではないかと思っていますが、どうですかね?
冬は鍋。常套句のように食卓に登場する拙宅。定番に常夜鍋があります。毎日食べても飽きないことからその名前。出汁は日本酒に昆布を入れる。軽く炊いてから、豚肉、ホウレンソウか小松菜、白菜などをさっと煮て、ポン酢でいただく。ハリハリ鍋も良いですよね。豚肉と油揚げで出汁が要らないぐらいですが、水菜をいただく時に昆布出汁が利いていた方が好きです。
鍋は総じて味が混ざります。その味をひと括りしてひとつの味としても良いのですが、それってあまりにも大雑把な括り方。だから、○○風という言葉がある。日本酒に昆布を浸して、豚肉、鶏肉、水菜、油揚げ、糸こんにゃく、白菜って入れてしまえば、それはそれでおいしいことは間違いありません。
複雑な味になればなるほど、酒は芯がしっかりしていないと負けてしまいます。相性を語る前に、玉入れのカゴが付けられている棒のような存在になってしまう。あることはあるが、その存在感は薄い。赤白のテープが巻かれていたにも関わらず、どんな色だったのか覚えていないというようなもの。
この酒、元々、新潟酒ですから、控え目で、押しの強い癖があるというものではなく、滑らかな飲み心地と共に食との相性は抜群。そこで生もとにして、さまざまな味が混ざり合っている鍋にも負けない相性の良さを楽しませてくれる。それがこの酒、山城屋生もと。もちろん、鍋しか駄目という話ではありません、誤解なきよう。
しかし、芯が太いというのは荒々しいとか、度数が高いとかいうものではありません。味に乗りがあり、口中でも膨らみ、キレも楽しめる。飲み応えがあるということでも正解かもしれません。が、それでもこの酒には繊細さや味わい深さの違いがあり、鉈ではなくマタギが使うナガサと呼ばれるナイフのよう。存在感があって、然るべく語り掛けてくる。
実に興味深い鍋と酒の世界。まだお試しいただきたい組み合わせがご紹介できると思います。もちろん、好き嫌いはあるでしょう。十人十色、酒もまた十色ですから。
注)「生もと」のもとは第3水準の漢字であるために、文字化けを敬遠するために平仮名にしています。正しくは、酉と元を合わせた漢字になります、為念
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