映画「万引き家族」・プロの世界とは
友人の会社が「万引き家族」に関わっていたことを、6月5日(火)、きょう、知った。
映画の世界は私が知る限り、徒弟制度とまでは言わないが師弟関係がはっきりしている。いわゆる、技の継承がきちんとされる世界。
師匠の技術を覚えて、認められて、その上で初めてスタートラインに立てる。監督とか、プロデューサーとか間接的な携わり方をする場合とちょっと違う。
その昔、日活スタジオにとある女優のインタビューで撮影所にロケに入った時、照明チームの息の合った連携プレイにプロの世界の格好良さ知った。鳥肌が立つ思いをした。憧れた。が、同時に、コツコツととか、粛々ととか、淡々ととかということができない私には無理だなと思えた。
日本酒を醸すということはまさにそれ。だから、ハマったのかもしれない。
話を戻すが、「コツ粛淡」が無理だなと思ったことは挫折ではなく、三千世界とも言える住処の違いを感じさせるものだった。経験とか、勘だとかの違いではない。呼吸ひとつが違う世界観だったように印象が残っている。そこにいることが場違い。
いまこそ違うかもしれないが、当時、映画とはそうして創られているんだなと思わされ、その後の映画鑑賞というものが、画面に映されていないところがどうなっているのかというところばかりが気になった時があった。
虎は千里往って千里還るという。が、それ以上に人の想像力は垣根がない。千里どころか既知、未知問わず飛ぶことができる。私の想像力は取るに足らないかもしれないが、人によっては無限に広げることもできるのである。その想像力が映画となるし、日本酒にもなる。
パルムドールを獲った「万引き家族」。街の片隅に忘れ去られた家族が生きていることを描いたもの。貧富の差が広がる世界。この先はさらに広がるだろう。その歪みの中でも生きていける人間の逞しさ。見ているのに見えていない世界を描いてくれたのだろう。
6月8日(金)、そう、今週末から封切りとなるらしい。スイッチオンで観てみたい。
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